広島といって思い浮かぶのが、世界遺産である宮島の嚴島神社。海の中に立つ、世界でも珍しい海上社殿です。
撮影で8回、嚴島神社を訪れた私ですが、本当に何度行っても飽きず、毎回感動しています。
拝観する時間によって、全く異なる表情を見せる嚴島神社。神社本来の厳かな雰囲気が存分に感じられる、私的、参拝の「とっておきTime」をお伝えします!
ねばってでも見てほしい、夕日に照らされた嚴島神社の大鳥居
JR広島駅から電車で30分の宮島口駅へ。そこから宮島へフェリーで10分、さらに12分程歩くと嚴島神社に到着します。
嚴島神社は、約900年前に平清盛が修造したもので、寝殿造りの社殿や大鳥居が海の中に立つ独特の姿は、清盛による発案といわれています。ほかでは見られないその優美な姿を拝もうと、一年中多くの参拝客、観光客が訪れる、名所中の名所です。
【とっておきTime】まず1つめは、「大鳥居がオレンジ色に包まれる夕方」。
嚴島神社は社殿が州浜に、大鳥居が少し離れた海の中に建てられています。その大鳥居の背後の山に夕日が沈むので、夕暮れ時は大鳥居の背後から日が差してシルエットが際立ち、実に神秘的。
刻一刻と変わる空の色、それを鏡のように映す海の色、その中にたたずむ雄々しい大鳥居……毎回ただただ時間を忘れ魅入ってしまいます。宮島を訪れたなら、このスペシャルな絶景をぜひ体験してほしい!
夕刻になると、御笠浜(みかさのはま)には夕景を見ようと人が次々集まってきます。心地よい場所に敏感な、外国人観光客が多い様子。
(夕方になると、フェリー乗り場に一目散に向かう日本人が多く、「帰らないで~」と思わず心の中で叫んでしまいます!)
徐々に日が暮れると、一日の疲れも吹き飛びそうな神々しい雰囲気が、辺り一面に漂い始めます。
海のなかに立つ嚴島神社は、約6時間ごとに繰り返される潮の干満によって景色が一変します。上の写真は、落日と干潮の時間が重なった日。干潮時には、大鳥居の根本まで歩ける日もあるので、まるで夕景に飛び込むような、贅沢なお散歩をお楽しみ下さい。
夜だけのお楽しみ。大鳥居のライトアップ、ムードありすぎ!
【とっておきTime】2つめは、「ライトアップで大鳥居が闇に浮かび上がる夜」。
嚴島神社では毎日、日没の約30分後から23時まで大鳥居と社殿のライトアップが行われます。真っ赤な大鳥居に光が当たって闇夜に浮かび上がることで、昼間の王道の美景とは全く違う、ウットリするような幽玄さが漂い始めます。
周辺の石灯籠にも明かりが灯り、いい雰囲気です。
完全に日が落ちると、漆黒の中に鳥居が浮かび上がります。その姿は、なんとも雄大。ゆらゆらと揺れる、大鳥居が映り込んだ海面にも目を奪われます。
鳥居だけではなく、社殿もライトアップされます。拝観が18時までなので社殿の中には入れませんが、満潮時なら写真のように海に浮かんでいるかのように見え、見ごたえ抜群です(閉門時間は季節により変更)。地元の人によると、ライトアップが終わった後の満月もすばらしいでそうですよ。
嚴島神社の開門は6時30分から。シャキッとした空気が気持ちいい
【とっておきTime】3つめは、「澄み切った空気に包まれた早朝」。
じつは嚴島神社の撮影はいつも朝7時頃。平日でも朝9時近くになると、団体の参拝客が次々やってくるので、それまでが勝負なのです。神社本来のスッキリとした清らかな力を体の隅々にまで感じることができ、何度訪れても毎回感動する時間帯です。
大鳥居にも朝日が当たり、海と空、山とのコントラストが美しい!
昼間は参拝客でいっぱいなので、静けさが漂う早朝風景は、実に貴重。建物の隅々まで人影なしに見渡せるので、建物自体の美しさがより感じられる気がします。
御本社へも、心ゆくまでお参りできます。清らかな空気をたくさん吸って、スキっとした景色のなかを歩いてきたお陰か、曇りのない心で落ち着いてできました。
嚴島神社の拝観は、「早朝・夕方・夜」がおすすめです!
嚴島神社参拝の【とっておきTime】、いかがでしたでしょうか?
たくさんのスポットを巡る旅も充実して楽しいのですが、一つのスポットをじっくり楽しむ贅沢な旅もたまには良いものです。
嚴島神社は昼間に参拝を予定される方が多いと思いますが、早朝や夕方、夜の嚴島神社にもぜひ訪れてみてください。
嚴島神社【いつくしまじんじゃ】
開門時間:6:30~18:00(季節により変更あり)、大鳥居は見学自由
定休日:無休(高潮の場合は拝観中止)
昇殿料:300円
Web:http://www.itsukushimajinja.jp/index.html
住所:広島県廿日市市宮島町1-1