こんにちは!旅人フォトライターのウエミチメグミです。ある日ふと、非日常の空気を感じたくなり、思い切って太平洋フェリー「いしかり」で船旅に出ることにしました。絶えず変化する海を眺めてぼーっとして、好きなだけ本を読む。気分転換に朝日を浴びて、ビュッフェのお料理と焼きたてパンをいただいて・・・お部屋はちょっと贅沢をして特等室。こんな素敵な船旅が、インターネットの「早割」で、なんと15,400円で楽しめるなんて!
(Photo & Text / ウエミチメグミ)
INDEX
太平洋フェリー「いしかり」で、北海道から名古屋まで1日半の船の旅
【1日目】苫小牧を出発。いしかりのごはん、夜景、読書を楽しむ
【2日目】仙台着→名古屋へ。水平線から上る朝日、焼きたてパンなど
【3日目】名古屋港着。いしかり船上で最後の朝食を楽しんで
太平洋フェリー「いしかり」の船旅でデジタルデトックス
太平洋フェリー「いしかり」で、北海道から名古屋まで1日半の船の旅
今回乗船したのは、太平洋フェリー株式会社の「いしかり」。北海道苫小牧市を19:00に出発し、翌日10:00ころに仙台着。3時間弱停泊したのち出港し、翌日10:30ころ名古屋に到着します。
およそ1日半かけての、ゆったりした船旅。そんなに海の上にいるなんて、なんとなく退屈しちゃいそうなんて思うかもしれません。
でも、太平洋フェリー「いしかり」は国内でも最大級のフェリーとあって、客室エリアだけでも3階建て、個室が全部で147室という広さなのです。
船内にはレストランや軽食スタンド、お土産が買えるショップはもちろんのこと、海の景色を楽しめる大浴場、様々なショーや映画が上映されるシアターラウンジまであるのです。
窓辺にはゆっくりと海を眺められるテーブル席。こう聞いただけで、もうワクワクしてきませんか?
【1日目】苫小牧を出発。いしかりのごはん、夜景、読書を楽しむ
太平洋フェリー「いしかり」は、19:00に苫小牧港を出港します。
17:30から乗船でき、18:00になるとレストランがオープンしますので、早めに乗船してくつろぎながら出港を待つのも楽しそうですね。「いしかり」には船の揺れを軽減する「フィンスタビライザー」という装置がついていますが、船酔いが心配な方は念のために出港前に食事をして、薬も飲んでおくといいですよ。
太平洋フェリー「いしかり」内のレストラン「サントリーニ」で夕食
食いしん坊な私は乗船してまず、気になっていたレストランに直行しました。
「サントリーニ」は、ビュッフェスタイルのレストラン。量を考えて食べられるのも嬉しいし、選ぶ楽しみがありますよね。体調を整えておくため腹八分目にしようと思ったのは最初だけで、デザートまで全部いただいてしまいました。
お腹いっぱいになった頃に、ちょうど出港の時間に。夜景を見ながら食後の散歩をしたら、お楽しみの船室でくつろぎましょう。
食後は太平洋フェリー「いしかり」の客室でまったり
太平洋フェリー「いしかり」の人気の秘密は、充実した船内設備はもちろん、予算に合わせて様々な客室が選べることにもあります。
フェリーのお部屋って、大部屋にごろ寝、というイメージがありませんか?いえいえ、「いしかり」の特等室は海の見えるツインルーム。ソファにバス、トイレつきの個室なのです。
人目を気にせずに本も読み放題、お昼寝もし放題。この非日常感、なんとも嬉しくなりますよね。
太平洋フェリー「いしかり」の旅は、1日半をかけて、1330キロも移動するもの。船旅でしか体験できないイベントは逃したくないですよね。
私は「海から上る朝日を見ること」「仙台でご当地スイーツを買い、旅のおやつにすること」ははずさないようにしよう、と作戦を立てました。この地図は、船内のインフォメーションでもらえますよ。
プランができたら、あとは読書タイム。かすかな船の揺れが伝わって、ゆりかごのよう。ベッドで本を読んでいるうち、いつのまにかトロトロと寝落ちしていました。
【2日目】仙台着→名古屋へ。水平線から上る朝日、焼きたてパンなど
私がこの太平洋フェリー「いしかり」の旅で、どうしても見たかった「海から上る朝日」。
日の出の30分ほど前から、幻想的な朝焼けが始まります。デッキは風があるので、暖かくして外に出るといいですよ。
「いしかり」の真っ白な船のボディが、少しずつ色づいてゆくのがなんともきれい。朝ヨガをするにも気持ち良さそうですね。
そして、日の出を見たあとのお楽しみが、冷えた体を温める朝のお風呂!大浴場の窓からも明けてゆく空を楽しめます。見渡す限りの海景色を楽しみながらお湯に浸かれるなんて、贅沢ですよね。
唯一、陸上で過ごせる2時間。仙台の街歩き!
2日目は午前中に、仙台に寄港します。
ここで2時間ほど、太平洋フェリー「いしかり」から降りることができるので、私はランチに牛タンをいただき、ずんだのスイーツを買ってきました。
12:50に名古屋に向けて再出発となりますので、時間には余裕を持ってくださいね。
太平洋フェリー「いしかり」での幸せなひととき
仙台港から名古屋港までは、22時間のロングクルーズ。
太平洋フェリー「いしかり」の乗客の皆さんはラウンジスペースでくつろいだり、コンサートや映画を楽しんだりと、思い思いに過ごしていました。
そんな中でも、私の思い出に残ったイベントが2つあります。
1つ目は太平洋フェリー「いしかり」が福島沖を通るとき、名古屋から仙台へ向かう姉妹船の「きそ」とすれ違ったこと。人の姿が見えそうなほどの近さに、誰からともなく「おーい!」と声が上がります。
もうひとつは太平洋フェリー「いしかり」名物、公式HPには書かれていない「焼きたてパン」コーナーです。
なんと販売開始の15分前には行列が・・・。この写真を撮ってから並んだら、あわや目の前で売り切れそうに。やっとゲットしたドーナツを、紅茶とともにいただきます。海の上で温かいドーナツとお茶をいただいているなんて、日常ではなかなか想像できないですよね。
太平洋フェリー「いしかり」の船室での時間も、この上ない「非日常感」を約束してくれます。
温かいお茶を用意して、本を読んでは海を眺め、ウトウトとまどろんだり、仙台で買ってきたずんだのスイーツをいただいたり・・・。
「何もしない贅沢」って、こういうことなのかも?
【3日目】名古屋港着。いしかり船上で最後の朝食を楽しんで
さて、太平洋フェリー「いしかり」の船旅も、いよいよ最後の朝。
残念ながら取材日は雨でしたが、レストランの窓からは中部国際空港が間近に見えました。朝食をいただきながら、飛行機が発着する様子を眺めるのも楽しいですね。とはいえ、旅の終わりが近くなってきたことを感じ、急に名残惜しくなってきます。
最後の見どころは、太平洋フェリー「いしかり」が伊勢湾岸自動車道(通称「名港トリトン」)をくぐる瞬間。赤い主塔の「名港西大橋」は、実はこの「いしかり」が通れる高さを基準に設計されていて、息をのむほどすれすれのところを通ります。橋をくぐるともう名古屋港のフェリー埠頭に到着です。
太平洋フェリー「いしかり」の船旅でデジタルデトックス
心地よく揺れる太平洋フェリー「いしかり」の上での1日半は、あっという間に過ぎて行きました。スマホもあまり見ないで、潮風と陽射しを感じ、リラックスして過ごした時間はとっても幸せでした。
旅は、日々頑張る自分へのご褒美でもありますよね。豪華なお部屋で過ごす船旅は、あなたの心も体も癒してくれる、最高の時間になりますよ。
太平洋フェリー株式会社 「いしかり」
苫小牧〜名古屋航路(仙台経由)運賃
(時期により異なり、A期間の場合。レストランは別料金)
特等室 ¥25,800/ 大人1名
1等和洋室 ¥21,100
S寝台 ¥14,400
インターネットから「早割」での予約で、最大50%割引(特等室は40%割引で¥15,400)
Web:http://www.taiheiyo-ferry.co.jp